お薬漬けのdiary

薬剤師によるブログ。在宅医療メインで薬剤師してます。いろいろなことに興味があり、特にビジネスの側面からのお話が多いかも?

調剤薬局業界のターニングポイント。立ち上がれ薬剤師。風向きは変わった。

ちょっと、真面目なお話です。

と、その前に共感してもらえたあなた。一緒にビジネスしないか?笑

 

さて、表題において詳しく綴っていきたいと思います。

調剤薬局業界まもなく風向きが変わる

皆さんは、最近の調剤薬局業界がものすごくメディアを騒がしているのをご存じであると思う。


くすりの福太郎「薬のカルテ未記載」に業界震撼:日経ビジネスオンライン

business.nikkeibp.co.jp

➁薬剤師届出不備のウィーズ、本社役員が「当直」「夜勤」まで

医薬経済社

➂土曜日に薬剤師不在で開局し事務員が調剤。無資格調剤で薬局が業務停止処分

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201504/541831.html

 

というのが、最近ありました。現在、悪い意味でも調剤薬局業界は注目されています。

今、調剤薬局業界は今までにない局面を迎えているようです。

薬剤師は高給取り?

Webをさまよっていると求人広告で薬剤師の転職や派遣のバーナーが目立ちます。

それを見る限りは、夜のお仕事かと思うくらいの時給と残業なし土日休みなどのうたい文句で好待遇の求人が出ていることを多く見受けます。一般の方々はそんな状況に違和感を感じないわけがありません。

なぜこんなことになっているのでしょうか?

 

一つは、医薬分業の促進による調剤業務需要の増加。

いつからかお薬は病院の中ではなく、いったん病院を出た後に近くにある薬局にいって薬をもらうことが主流になりました。そう、処方箋という紙をもって。

これが、国がすすめる医薬分業の形なのです。

皆保険制度により、診療報酬(病院や薬局の保険診療)の7~9割を税金から出されている構造になっております。いいかえれば国によってお給料が決められているわけですから、国の方針に沿わない経営は苦しいものになっていきます。

厚生省が37のモデル国立病院に対して完全分業(院外処方箋受取率70%以上)を指示した1997年以降、急速に進み、2003年に初めて全国の医薬分業率が50%を超えました。
2012年度の1年間に全国で発行された処方箋の枚数は7億5888万枚にのぼっていますが、医薬分業率は66.1%に達し、完全分業にようやく近づきつつあります。(公益社団法人 日本薬剤師会より)

急速に進んだ医薬分業は、調剤薬局がどんどん増えていくきっかっけになりました。そして、現在は約5万5千件に及ぶ数の調剤薬局が国内にはあります。これはコンビニよりも多いとされています。

 

そして、二つ目が調剤薬局の薬剤師配置基準。

調剤薬局は1日の処方箋40枚に対して、薬剤師1人の配置が定められています。

また当然ですが、調剤薬局の処方箋がいくら少なくとも薬剤師のいない薬局などはあっていけません。

 

上記2つの結果、薬剤師数が相対的に不足しているのです。

 平成24 年12 月31 日現在における全国の届出「薬剤師数」は280,052 人で、(中略)「薬局の従事者」は 153,012 人。

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/12/dl/gaikyo.pdf

 というデータからも、調剤薬局1つあたり5人程度の割合となりますね。すべての方がフルタイムで週40時間、月20日働いた場合11.3枚程度の割り振りと計算されるので不足しているようには思えないかもしれませんが、仮定としてのフルタイムというのも女性が多い職種ですので日本ではまだまだ結婚・出産・育児によって現場復帰が完全でなかったり、大きな地域差によって地方では薬剤師が不足しているという背景があるようです。

 

在宅医療推進の政策

現在、国政として入院期間は少なくできる限り在宅での療養ができるように方向転換が進んでいます。ここには、全国に5万5千件もある薬局に対する期待も強く、薬剤師として在宅医療を推進していくことは必須になってゆくことでしょう。

在宅医療を行うことは、調剤薬局としてのターニングポイントをうまく曲がりきるための重要な変化なのです。

 

実際に薬剤師が在宅医療を行うことでの効果は推計されています。

潜在的な飲み忘れ等の年間薬剤費の粗推計=約500億円

在宅患者訪問薬剤管理指導等により改善される飲み残し薬剤費の粗推計
=約400億円

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001uo3f-att/2r9852000001uo7n.pdf

中医協 在宅医療における薬剤師業務について) 

また、こちらからは、薬剤師が在宅医療に入ることで一定の効果が得られたことが調査によって示されました。

全て表示|厚生労働科学研究成果データベース MHLW GRANTS SYSTEM

 

また、在宅療養を薬剤師がサポートすることは多職種の仕事をサポートすることにもなります。 

 「チーム医療の推進に関する検討会 チーム医療の推進に関する検討会 報告書」(平成22年3月19日厚生労働省)(抜粋)
3.看護師以外の医療スタッフ等の役割の拡大
(1)薬剤師
○ 医療技術の進展とともに薬物療法が高度化しており チーム 医療技術の進展とともに薬物療法が高度化しており、チーム医療において 薬剤の専門家である薬剤師が主 、薬剤の専門家である薬剤師が主体的に薬物療法に参加することが、医療安全の確保の観点から非常に有益である。
○ さらに、在宅医療を始めとする地域医療においても、薬剤師が十分に活用されておらず、看護師等が居宅患者の薬剤管理を担っている場面も少なくない。
○ こうした状況を踏まえ 現行制度の下 薬剤師が実施できるにもかかわらず 薬剤師が十分に活用されていな こうした状況を踏まえ、現行制度の下、薬剤師が実施できるにもかかわらず、薬剤師が十分に活用されていな
い業務を改めて明確化し、薬剤師の活用を促すべきである。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001uo3f-att/2r9852000001uo7n.pdf

中医協 在宅医療における薬剤師業務について)

 

前述もしましたが、在宅医療への薬剤師の進出は社会的にも国政的にも多業種対しても期待と効果があるということは疑う余地はありません。

しかし、なかなか進まない、または初めても続かない状況が確かに存在します。ここを解決することで、変わった風向きに乗る帆を張れるかどうかが決まります。

そして、それができるのは我々薬剤師しかいません。

 

現在、この問題を解決するビジネスをいくつか考えています。そして、動き出しています。一緒に手を取り合ってできる仲間がいればとてもうれしいことです。

また、並行して薬剤師の行う在宅医療もますます進めていくために日々業務を行っています。

薬剤師が日本の医療を変える要になることを期待して。。。