お薬漬けのdiary

薬剤師によるブログ。在宅医療メインで薬剤師してます。いろいろなことに興味があり、特にビジネスの側面からのお話が多いかも?

エンシュアが飲みにくい。飲んでくれない。#在宅医療 #薬剤師 #介護

みなさんこんにちは。
今日は在宅医療で体験した、患者さんご家族の知恵を紹介したいと思います。


認知症と寝たきりになってしまった患者さんのケースです。

認知症の代表的な周辺症状といえば意欲低下。また、寝たきりになればみるみる運動能力も低下し、嚥下(飲み込み)も悪くなって行きます。
その結果、食事を取れなくなって栄養失調に陥ってしまうわけですが、
そんな時に簡単に栄養を補える栄養剤が処方されることがあります。
数種類処方できる(保険適応)ものがあるのですが、どれもマズイ。
あと、臭い。(脂質とたんぱく質の匂いかな)
最初は我慢できても毎日のものですから、次第に飽きてくるようなこともよくあるケースですね。
さて、そんな経管栄養剤を工夫して服用している患者さんのご家族がいたので紹介したいと思います。
 
▼アイディアの発端はミルク粥

写真をご覧になれますでしょうか?
牛乳を混ぜて作るミルク粥の素をエンシュア(経管栄養剤の一種)で割っています。
今回は野菜粥の素。
ストロベリー味なのが気になるところですが、当患者さんは大丈夫とのこと。笑
バニラフレバーや物によってはミルクフレバーの経管栄養剤がありますので、そちらの方が初心者向きだとは思います。

さてさて、完成です。
このあと患者さんは美味しそうに召し上がってました。



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▼現場に出て広い視野をもて!
薬剤師は薬について様々な質問を受けます。それの多くは薬の飲み合わせや、飲むタイミングにつてだったり、効能や用法とまるで薬辞典を開いて調べるような感覚でしょうか。
しかし、
全ての場合においてお薬を目の前にしている患者様の存在があります。
そこには辞書には載っていない知恵や手段こそが必要とされています。
そういった生きたものが蓄積されることが、薬剤師のスキルなのではないでしょうか?
(求人広告に"大病院前薬局スキルアップ間違いなし"なんて言葉を見かけますが、果たして薬剤師のスキルはそこで身につくのでしょうか)
さぁ、
患者さんの生活に飛び込んで、お薬を通して患者さんの人生に安心と喜びがあるようにお手伝いをしに行きましょう。

私もいずれこういった本を出せるようになったらいいな~なんて思っています。
在宅医療Q&A―服薬支援と多職種協働・連携のポイント〈平成25年版〉
これからの薬剤師のスキルアップや活躍の場を牽引で来たら最高です。