お薬漬けのdiary

薬剤師によるブログ。在宅医療メインで薬剤師してます。いろいろなことに興味があり、特にビジネスの側面からのお話が多いかも?

訪問薬剤管理指導の基本的なことだけど。これから在宅始める人には参考になるのかも?#薬剤師 #在宅医療 #訪問薬剤管理指導

訪問服薬指導を行っていれば基本中の基本で、当たり前と言われるかもしれないけども、
そういったことも取りこぼしなく記録していくのも大事なことかも?と、本日は服用回数現象の提案による「薬×生活」とPDCAのエピソードを。

 

患者情報

60代 男性 ガン末期
とても破天荒な人柄の方で、元気な時は女とお酒が大好きだったと施設でも評判の患者さん。
一度、余命宣告をされていよいよかというところで持ち直し、現在生活をされている。
胃瘻も造設したが、現在は経口摂取も可能で、内服もできている。
素晴らしい生命力の持ち主。
できるのであれば、できる限りのことはご自身で行い、好きなように生活をし施設で最後を迎えたいとのこと。

 

内服薬は以下の通り。

プレソニン5mg 1錠
ランソプラゾール15mg 1錠
  1×朝食後
ロキソニン60mg 2錠
  2×昼食後寝る前
マグミット250mg 2錠
リリカ75mg 8C
  2×朝夕食後
メチコバール500μg 3錠
  3×毎食後
ゾルピデム10mg 1錠
  1×寝る前

現在は、大好きなお酒を3L~5Lを毎日あけてしまうような状態。
ご本人からすれば、死の恐怖から逃れるにはこれが一番かもしれないが、いくらお酒が強いといえど、周りからすればヒヤヒヤするような状態。内服ができないどころか、食事すらまともに食べれず10日過ごしていました。


訪問に伺ったところ、上記の生活状況の報告を受けました。
どうしたらいいもんか。。。

 

生活や介助の状況などを聞いてくと
「11時と20時に介助が入るんです。その時に薬を飲んでないのが見つけて、またか。。。とがかりしてるんです」

 

 

それだ!

 

 

11時と20時に確認の目がはいる。
処方内容を「これくらいできれば良しとしよう」というそれぞれの薬剤の許容範囲で落としどころを、1日2回にロックオン。

 

①11時の時点で朝食後が飲めていなければ、その時に服用
➁20時の時点で夕食後が飲めていなければ、その時に眠前薬と一緒に服用

 

ってな感じで介護士さんと取決めをし、処方提案。
Drも快諾してくださいました。

<変更後>
プレソニン5mg 1錠
ランソプラゾール15mg 1錠
  1×朝食後
ロキソニン60mg 2錠
  2×朝夕食後 ※用法変更
マグミット250mg 2錠
リリカ75mg 8C
  2×朝夕食後
メチコバール500μg 2錠
  2×朝夕食後 ※昼食後削除
ゾルピデム10mg 1錠
  1×寝る前

 

そして、

本日訪問するとケアマネさんが満面の笑みで登場。


「あの日から、毎日内服できているんです!そのせいか、食事も召し上がるようになって、お酒の量も減りました。薬を飲めるようになったからでしょうか?びっくりです!」


薬との因果関係は、はっきり言えばわかりません。ですが、やはり薬の変更というのは一番の目立つので、やんわりと肯定しておくのがいいかなと。

どちらにせよ、薬について在宅医療の中でPDCAしていくには、計画通りに服薬ができてから。今はやっとDo。
Checkはもう少し時間が欲しいですが、まずまずの滑り出しということで、
PDCAサイクルがちゃんと機能しそうな事例になりそうです。

 在宅医療は、ますます加速していきます。是非、そんな時流の中で生き抜ける薬剤師仲間が増えていくことを熱望してます。

こんな本が出ているのも、時流なんでしょうか。